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三菱一号館美術館
三菱一号館美術館
〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-6-2


FROM DREAM TO REALITY
THE IWASAKI / MITSUBISHI COLLECTION
開館記念展〈U〉三菱が夢見た美術館
―岩崎家と三菱ゆかりのコレクション―
土佐藩の海運業を任された岩崎彌太郎(1835-1885)は、明治維新後に三菱を興しました。1890(明治23)年、第二代社長岩崎彌之助は丸の内の土地を取得、お雇い外国人の英国人建築家ジョサイア・コンドル(1852-1920)に煉瓦造りの事務所を設計させ、1894(明治27)年、三菱一号館が完成します。同じ頃、三菱には丸の内に美術館や劇場を作る計画があり、コンドルは「丸の内美術館計画」と銘打った図面を残しています。明治期の美術館設計計画は実現しませんでしたが、それから一世紀、丸の内には三菱一号館美術館が誕生しました。
三菱一号館美術館開館記念展第二弾となる本展は、往時に三菱が描いた夢の実現の意味がこめられています。コンドルが三菱や岩崎家のために描いた建築図面を皮切りに、岩崎家が設立した静嘉堂及び東洋文庫が所蔵する、国宝、重文を含む古美術及び古典籍、そして三菱系企業と個人が所蔵する、ルノワール、モネ、山本芳翠、黒田清輝らによる作品が展示室を飾ります。また三菱から発した日本郵船、麒麟麦酒が宣伝のために作成した、近代化してゆく日本の姿を映し出すポスターが展覧会に華を添えます。三菱及び岩崎家が育ててきた、珠玉のコレクションが楽しめます。

会期: 2010
8/24(火)〜11/3(水・祝)
展覧会は終了しました。
開館時間:水、木、金 10:00〜20:00、火、土、日、祝 10:00〜18:00 (入館は16時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日休館、11月1日(月)は開館)
会場:
三菱一号館美術館


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「三菱が夢見た美術館」
「三菱が夢見た美術館―岩崎家と三菱ゆかりのコレクション」
2010 8/23 のプレス内覧会:三菱一号館美術館


― 日本・東洋・西洋の百二十数点の珠玉のコレクション ―
【展覧会の構成】 〜本文より抜粋して掲載しています〜
序章 「丸の内美術館」計画:三菱による丸の内の近代化と文化―鎮台騎兵営など陸軍用地が並んでいた丸の内の土地を、三菱が政府から一括して買い取ったのは1890年である。その直後より、堅牢な西洋建築を建てて事務所街を形成するという丸の内の改造計画が始まる。…明治20年代から三菱では美術館、劇場、商店街、アパートメントハウスを含め、丸の内一帯で西洋的な街づくりを企画していた。
第一章 三菱のコレクション:日本の近代美術―岩崎家のコレクションに日本の近代美術作品が含まれていることは、「岩崎彌之助・小彌太蒐集 日本の近代美術展」(1993年)で静嘉堂文庫所蔵の近代作品が紹介され、広く知られるようになった。同展では日本画、彫刻、陶磁器が出品され、洋画や水彩画は対象とされなかったため、本展はその一端を公にする初めての試みとなる。
第二章 岩崎家と文化:静嘉堂―岩崎彌之助(1851-1908、 三菱第二代社長)と小彌太(1879-1945、 同第四代社長)の父子二代が明治初期から昭和前期にかけて収集した古典籍と美術品とを保存し、公開・研究する機関である。本展では国宝1件、重要文化財8件、重要美術品3件が出品される。
第三章 岩崎家と文化:東洋文庫―東洋文庫は第三代社長の岩崎久彌が設立した、東洋学の研究図書館として世界的に知られる。この章では、国宝、重要文化財、日本の古い絵本、海援隊に関する書籍や『解体新書』等、東洋文庫の収集の柱となっている様々な言語の書かれた本、そして、主として外国人の目から見た日本が描かれた地図等、膨大な数を有する古地図から構成される。
第四章 人の中へ街の中へ:日本郵船と麒麟麦酒のデザイン―この章では三菱系の企業の中でも、一般の人々に向けて事業を展開した二つの企業、日本郵船会社と麒麟麦酒株式会社によるデザイン戦略について取り上げる。
第五章 三菱のコレクション:西洋近代美術―山本芳翠に作品制作を依頼したり、黒田清輝の作品を購入したりと、岩崎家では日本近代の画家の作品や、西洋画も所蔵していた。第四代目社長岩崎小彌太は、印象派の画家ルノワール、カミーユ、ピサロ、また黒田清輝の師ラファエル・コランの作品を所蔵している。未だ、岩崎家が所蔵していた西洋近代絵画は全貌が知られていない。
〜本展覧会の内、三つの章をご紹介いたします。〜
第一章 三菱のコレクション:日本の近代美術
第一章 三菱のコレクション:日本の近代美術
日本近代洋画について言えば、明治期の白馬会系の作家である黒田清輝、久米桂一郎等。大正期以降は、安井曾太郎、梅原龍三郎、昭和期になると児島善三郎など、やはり日本近代洋画史上の各時代で主流をなした作家の作品が蒐集されている。

岸田 劉生 《童女(麗子花持てる)》
 1921(大正10)年
油彩/カンヴァス 53.5 x 46.0cm 個人蔵

第三章 岩崎家と文化:東洋文庫
第三章 岩崎家と文化:東洋文庫
東洋文庫は三菱第三代社長の岩崎久彌(1865-1955)によって設立されました。現在は国宝5点、重要文化財7点のほか、95万冊を越える貴重な書籍を有する研究図書館となっています。本展では、名品《毛 詩》(国宝)、《文選集注》、江戸時代初期の挿絵本《義経記》、18世紀オランダの医学書《ターヘル・アナトミア》、杉田玄白訳《解体新書》等、東洋文庫を代表する貴重な書籍が並びます。

国宝 《毛 詩》
 (部分) 唐初写 巻第6残巻、鄭玄箋、鈔本等
財団法人 東洋文庫蔵

第五章 三菱のコレクション:西洋近代美術
第五章 三菱のコレクション:西洋近代美術
西洋近代絵画としてはボナール、ピサロ、ドガ、モネ、やジョルジュ・ルオーの油彩やアルベール・マイケなど稀少な油彩画作品が並んでいます。また、梅原龍三郎《パリスの審判》1978(昭和53)年はルノワール作品を直接模写したもので、この二作品が展示室に揃っています。

郡司 卯之助(福秀) 《三菱ケ原》
 1902(明治35)年
油彩/カンヴァス 32.0 x 44.4cm 三菱地所株式会社蔵


「丸の内美術館」から三菱一号館美術館へ  :阿佐美 淑子(三菱一号館美術館 主任学芸員) ―本文より要約して掲載―
本展覧会においてのように岩崎家と、岩崎家がその基礎を作った三菱は、あまり知られてこなかったが、古美術はもちろん、同時代の画家たちとも関わりを持ってきた。 …19世紀末、第二代社長彌之助の時代に夢描かれた、丸の内における三菱による美術館 「丸の内美術館」 では、どのような作品が展示されるはずだったのであろうか。 …三菱の大番頭荘田平五郎は、三菱の総師たる岩崎家は芸術支援、芸術家支援を行うべしと言明しているのである。そして美術館内に飾るべき作品について …日本画、油彩画、彫刻、漆芸等を常設で展示することを想定していた。 …この 「丸の内美術館」 計画から100年以上が経ち、丸の内には三菱一号館美術館が開館した。1894(明治27)年に建った19世紀の建物をそっくり復元したこの美術館は、現代ではなく 「丸の内美術館」 の時代の美術品を中心に活動をしていくことになっている。 …19世紀フランスの画家ロートレックをはじめ、モーリス・ドニ、アンリ・リヴィエールら、版画を集めた版画集 『レスタンプ・オリジナル』 があり、これは世界でも数少ない完全な揃いである。また美術館の運営母体である三菱地所株式会社は藤島武二、坂本繁二郎ら、日本近代洋画の大家の作品を所有、今回の展覧会でも展示されている。こうした作品を通し、19世紀末から20世紀はじめの近代化していく世界と日本を、美術によって読み解く活動をしていくことになっている。…
お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会サイト:http://mimt.jp/yume/
美術館サイト:http://mimt.jp

主催:三菱一号館美術館、日本経済新聞社
特別協力:公益財団法人 静嘉堂、財団法人 東洋文庫

参考資料:Press Release、「三菱が夢見た美術館」カタログ他。
※写真撮影は全て、主催者の許可を得て行っております。
ご意見ご感想は  yashio@mui.biglobe.ne.jp

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